2017-09-26 今日の一冊 「みみずくは黄昏に飛び立つ」村上春樹×川上三映子 新潮社 作家が描ききってよい点と、読者に想像を委ねる点との、絶妙なクリティカルポイントが明らかにされる。作家の多くは「語りたい」のであるが、村上春樹氏はそれらを沈黙し、読者に委ねてしまう。クリティカルポイントの位置づけが唯一無二である。 小説の対談ではありながら、絵画制作をする自分にもぴったりと合致し、心臓をつかまれたような気持になる。 「騎士団長殺し」と本書で2017年が終わるような気がする。□