ムードメーカー

ムードメーカーといわれる人がいます。

眉間にしわを寄せて仕事をしていると、

ふと近寄ってきて、

まるでクリームブリュレの表面をスプーンで軽く
こつんと壊すかのように、
硬くはりつめた空気の膜を心地よく壊してくれる。

あの心地よさはなんだろう。

日本人は相手への敬意に頭をさげるけれど、その下げ方の度合いにも、実は絶妙な位置があるような気がします。高すぎると高慢だし、下げすぎると謙虚すぎる。でもその間の絶妙な下げ方をする人がいて、そんな人には、こちらこそ。とつい頭を下げてしまいたくなったりします。

素晴らしきムードメーカーは「弱音」を最高の武器にしているのではないか。
弱音にも絶妙な位置があって、あきれるほどでもなく、同情するでもなく、
ほっこりするくらいの弱虫。そんな人がムードメーカーであるように思います。

そういう弱虫で僕もありたいと思います。□