朝、描く。

100号のキャンバスに絵具を撒かなくてはいけない。

撒くためにはキャンバスを床に寝かせなくてはならない。

そして、絵具を撒いたキャンバスはせめて1日は寝かせないといけない。
絵具を撒いて、1日寝かせる時間が必要なのである。

週末にやったらいいのだと思うが、制作時間がない。
1手遅れると、取り返しがつかない。先延ばしはできない。

 

どうするか。

 

たどりついたのは「朝、描く。」でした。
朝、出社前に絵具を撒いてから仕事に出かけるのである。
夜、仕事から戻り、キャンバスを戻すという作戦である。
ふだんは仕事から戻ってから深夜まで描いたりしているが、この作戦を決行するために超早寝をし、超早起きをしなくてはならなかった。

 

いかれている。

 

自分でもそうとういかれていると思う。
なんだかこの春の個展からすっかり変なスイッチが入ってしまったようである。
これまででは、こんな狂気は絶対にやらなかったことです。どこかでブレーキをかけてごまかしていたように思います。
いかれちまッた悲しみに、今日も脂汗が滲み出す...。
でもここまで描くことに軽やかになれた。という喜びもあります。

ミッションは無事完了。
暑い日が続くから、油絵具もすぐに酸化重合するでしょう。明日にはすぐに描ける。

 

ひとつ知ったのは、超早寝、超早起き、朝仕事。が予想を超えて清々しかったということです。
制作にかかった時間は2時間くらい。
出社前に、すでに仕事を一つ終えたことで、なんだかさらに元気がわいてくるようにも感じたし。早寝早起きというものがいいものだと謳われ続ける理由を改めて体で知った感じがします。

ずっと変えられなかった夜型を改めるいいきっかけになるのかもしれない。□