千成寿司

淡路に名の知れた寿司屋あり。

ずっと頭の片隅にその寿司屋の名前が残っていました。
その名を聞いてから5年くらい頭の中で温めていた。
ようやくその時が来たということだったのでしょう。
まるで太陽系の惑星が一直線上に並ぶようなタイミングで「そうだ、千成寿司行こう」という展開になった。
ダメもとでこれから17時に行きたいと電話してみたら、「今シャリを炊いているので17時15分からならば...」という回答。更に、次のお客さんの予約があるから19:00までという制約もついた。
.....2時間弱。たぶん絶対に時間は足りないことになる。鮨屋に行くなら3時間は欲しい。
でも、今日を逃したら次に来られる機会はまた次の天文学的な時間を待たねばらならないことになるだろうと確信していたので「お願いします」と答えた。

淡路は不思議な町だ。前に来たのは10年くらい前だったろうが、やっぱり時間が止まっていた。ここはずっと昭和のままだ。阪急快速が止まる要所でありながら、なぜここだけ時間が止まっているのか。それはわからない。JR淡路駅ができるとのぼりが出ていたが、特別な華やかさはなく商店街は静かである。
空き地を抱える小さなアーケード商店街を抜けてすぐに千成寿司はあった。風に吹かれ、大きくたなびいている暖簾をくぐる。

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店内は、コンクリートがむき出しになったようなシンプルな空間に、カウンターのわずか7席。まだお客さんは誰も来ていない。内心「キターー!」と叫びながら、上機嫌でいちばん端の席に座る。

先ずはビールを頼む。メニューは無い。大将と話して、お刺身やおつまみ、握りをいれた1万円のコースをお願いした。

粋のいい魚に日本酒・淡緑をいただく。美味しかった。誕生日に秘蔵の寿司。至福の時間でした。

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ただ、残念だったのはやっぱり時間切れ。
19:00前になると予告通り、次のお客さんが来てしまいました。
あがりをゆっくりいただきながら余韻を楽しむような間もなく、19:00に追い出されるように店を出ざるを得なかったのは本当に残念でした。
あと、最後にお椀やら水物も出てほしかったなぁ.....。
僕の中ではそこまでで鮨屋として1万円という大台を共有できるのだと思うのです。

でも、やっぱり鮨って最高です。
ばくばくとお腹いっぱい食べるのではなくて玉に背筋を伸ばして最高の物をゆっくりいただくくらいが丁度いいのではないか。

ごちそうさまでした。□

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