コストバスター

春の個展の制作が本格的になってきた。

が、作品の構成にとても時間がかかっている。

1枚の構成に、だいたい1週間かかってしまっている。
個展には20~30枚の絵を描かなくてはならないから、
このまま構成しているだけで個展が開幕してしまう。
.......これはまずい。大ピンチである(またか....)。

毎年のことなんだけど、追い詰められた挙句、例年、
妥協した構成で制作に突入して、ふがいない結果を
招いている。
流石に今年こそは猛省し新しい方法で立ち向かいたい。

それが「Photoshopの導入」である。

これまで構成は全て手書きでしていたのだが、
ちょっとした修正でも全部の書き直しを余儀なくされていた。
この無駄を解消すべく、PhotoShopを導入してみたのだが、
これがすこぶるいい。飛躍的に構成効率が向上している。

年々歳を重ね、体力も落てきているし、
更に忙しくなる業務と二刀流で絵画制作を続けなくてはならない。
より早く乾燥するアクリル絵の具の導入や、
Photoshopによる構成の高速化など、
今年の挑戦は手段も一新したよりシャープな時間との戦いになる。

でも手段なんて観る人にとってはどうでもいいのです。
兎に角、春の個展をこれまで以上の充実したものにできたらいいい。

さて、どうなることか。なにはともあれ楽しくやりたいですね。□

今日の日本酒 ~番外編~

本格焼酎 爆弾ハナタレ
(宮崎県児湯郡高鍋町黒木本店/9点)

黒木本店 公式ウェブサイト

ボトルは小さくそれでいてなかなかの高価な焼酎だけど、
そのこじんまりとした美しいデザインと衝撃的な銘柄に
目が留まり購入したのだが、これがキく!
「うまい」というより「キく!」のである。
勿論「うまい」のだがそれだけでは表現できない、さらに
強い言葉を必要とするパンチをもった無二の名酒である。
ハナタレという名前だが別に鼻水で作られたわけではない。
(当たり前だ!www)
蒸留時に最初に出る「初垂れ(ハナタレ)」のみを集めて
作られたということらしい。これまたかっこいい。

実家に1本置きっぱなしになっていて、帰省した時にだけ
ほんのちょっといただくのです。
強い酒なのでほんのちょっとで充分なのです。
帰省時はたいてい解放されているから、いっそう五臓六腑に
沁み渡ります。
僕にとってハナタレはまさに放たれる焼酎でもあるのです。□

 

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今日の一冊

ゴールデンカムイ」(~12巻まで以下続刊)
 野田サトル 集英社

丁寧な作画。
謎の金塊を探すという冒険譚の面白さ。
アイヌの知らなかった生活文化を教えてくれる教養。
美しい悪役たち。いきいきと輝くキャラクターたち。
どれをとっても充実していてすみからすみまで尖っている。

漫画という表現手段をここまで上手に活かして作品を
作ることができるという才能。
数多くいる作家の中でも屈指のセンスをもっていると感じる。

ぼくは漫画を描くことからは卒業してしまったけど、
多くの作家はきっと野田サトル氏の才能に嫉妬している
ことでしょう。(僕も絵画の世界では嫉妬ばかり.....)□

 

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誘惑の雲

制作に入る前には、いつも頭が逃げようとする。
「やっと金曜日。お疲れ様!一杯やろう」とか。
「制作は土曜日にじっくりやったらいい」とか。
「疲れているときにやってもうまくいかない」とか。
「今日は体調不良だから明日に仕切り直そう」とか。

脳の中で「仕事する」か「遊ぶ」かを決定する
瞬間がある。
その瞬間に大きな誘惑の雲がもくもくと姿を現す。
一瞬という時間に一気に大きくなる。
頭の中にあった仕事への意欲を覆い隠そうとする。
僕は、それを瞬殺する。
雲の種がうまれる前に、パレットへ絵具を出してしまう。
もう後には引き下がれない。やるしかない。
その瞬間のちくっとした痛みを乗り越えればもう大丈夫。
頭も体もすっと仕事へ入って行ってくれる。

仕事に限らず、何かを決断するときは、
いつも誘惑の雲が覆いかぶさってきて、
都合のいい方、楽な方へと自分を引きずり込もうとする。
楽な方は急な坂道になっているから、スキー場のように
風を切って気持ちよく滑り落ちて行ってしまう。
だがそこであえてもう一方のイバラの登り坂を選択する。
最初は苦しいかもしれない、だがそれが習慣になるまで
続いた時、すごい成果につながっていけることを願い、信じる。

一瞬。あの一瞬に踵を返す習慣を。いつも自分に唱えている。□

座右の銘

いろいろ悩んだけど、

僕の座右の銘は「自責」です。

「彼は何もやってくれなかった」

「彼のミスを僕のせいにされた」

皆、誰かのせいにしたいのです。

でも突き詰めていくと、

最後の最後はやっぱり、

全部「自分のせい」なんだよね。

こうなってしまう前に、

自分は何をしていたのか?

自分には何ができたのか?

本当に自分はやりきったのか?

そんな手を打たずに、ぼーっと過ごし、

今を迎えてしまったのは、

全部自分のせいじゃないか。

人のせいにする前に自分はできているのか。

そういう全ての覚悟を今年の僕は受け入れたい。□

アナログよ、とわに。

「アナログよ、さらば。」とは、僕は絶対に言えない。
「アナログよ、とわに。」である。

先日、広辞苑第7版がリリースされた。

第6版リリースからの10年間の日本語の動きを受け、
レジェンド、スマホ、コスプレ、ツイート等、
多くの語彙が追加されて140ページほど増頁された
とのことである。(それでも厚みは増してない!)

そんなニュースで街が湧く反面、若い人たちは、
広辞苑には興味が無いようだ。
スマホで、ぐぐる」で充分であり、紙の辞書など
さわりもしないというのである。
.....なんと寂しいことだろう。

僕はアナログが大好きです。
本はやっぱり書店で表紙を見ながら探したいし、
CDはタワレコで視聴しながら新しい発見をしたい。
そもそも、紙が好きなのです。
新しく買った本はまず匂いをかぐ。新しいインクの
匂いが沁み込んだ本の匂いがたまらなく好きである。
また、開封した直後のポストイットの匂いも好きだ。
そして年賀状では手書きの文字をみてほっこりする。
手書きの文字には「温度」がある。
漫画もペンと絵具を使って描いている作家が好きだ。

わざわざ長い時間をかけて絵を描くのも
自分がアナログな人間だからかもしれない。

かつて「たほいや」という深夜番組が人気を博した
時代があった。
分厚い広辞苑を持ち寄り、ぱっとひらいたページにある
耳慣れないことばを読み上げ、その意味をあてるという
即席クイズ番組だった。
まさにアナログならではの楽しい番組だった。

狙い定めた情報に即時にたどり着くという現代の便利さも
確かに嬉しいが、ふらふらと情報の中を自分の足で歩き、
偶然発見した、向こうからやってくる情報というものも
改めて大切にしたいと僕は思うのです。
全く期待していなかった良きものが、偶然に向こうから
やってくるこの楽しみを僕らは忘れてはいけない。

僕は「アナログよ、とわに。」です。□

スイッチ

個展準備でもっとも重要なのは「時間管理」である。
時間というものは、なんとなく過ごしていたら、
本当にあっという間に流れていってしまう。

残された時間がどれくらいあり、その限られた
時間内でどれだけのパフォーマンスを出せるか。
そんな緊張感を常に頭の片隅に置おいておかないと、
ほとんど制作が進まないまま、個展直前になって
いたりする。
糸の切れた凧のようにどこかに飛んで行ってしまう。
自らが凧となり、自らがその凧糸を引く強い精神力
で臨まなくてはならない。

例年、制作時間の管理表を作って、
「何時から何時まで何を制作した」という作業日誌を
つけている。
これまでは体力の許す限り、エンドレスに作業は続き、
ときには1時間、ときには5時間など、まばらな仕事の
仕方をしていたのだが、今年はそのやり方を見直して
みることにした。

「体力が続く限り、作品ができるまでやる」のではなく、
「作業時間を2時間に限定する」とした。

制限時間を設け、その中で徹底して仕事をしてみたい。
時間を区切れば、業務後の疲れた状態でもこなせるし、
またいずれ、制限時間内で作業の質を上げるよう、
体が動き出すのではないか、という期待も込めている。
社会を賑わせている「仕事改革」が、
いよいよ我が制作にまで及んできたのである.......!

個展まで、残すところあと3か月。
この新しいやり方で、どのような成果を出せるか、
今からわくわくしている。□