映画 「スウィーニー・トッド」 (8点/10点)

ティム・バートンの新作が、ミュージカルである。ということと、血みどろである。ということは事前にある程度耳にしてはいたものの、ふたを開いてみたら本当にスプラッタ映画級に血がどくどく出る映画だったので吃驚した。


正直なところミュージカルは、苦手な分野なのだが、スウィーニー・トッドに関しては、むしろこれらの楽曲がオブラートのような役割を果たし、本作を単なるスプラッタにしないよう、うまく機能していたように感じる。


全体的にゴシックホラー調のモノトーンの映像も、真っ赤な血の色をより美しく鮮明に見せるよう機能していてよかったと思う。


やっぱりティム・バートンは極彩色のおちゃらけた世界よりも、これくらい色を抑えた暗〜い世界を描く方が圧倒的に向いていると思う。
食べ物についても、美味いものより不味いものを描く方が全然いい。
Mrs.ラヴェットの人肉パイは本当に不味そうで、これぞまさにティム・バートンの狙い通りに描けたのではないか。


ラストに向かう衝撃的なストーリー展開。そして、ラスト1カットの美しさが大変印象的だ。
気持ち悪いとか怖いとかいうより、自分には本当に美しく見えた。もう一回みたい。


ティム・バートン、チャーリーからの汚名返上。ジョニー・デップ、サイコー。□