前半は空気ポンプのようなもので人を殺しまくる凶悪殺人鬼と、その殺人鬼の金を偶然見つけて盗んでしまった男の壮絶なチェイス、戦いが繰り広げられる。
或意味、エンターテインメント最優先的なつくりになっているが、後半になると突然そのチェイスにあっけなくピリオドが打たれ、不条理なラストを迎える。
主人公はたぶん老保安官たるトミー・リー・ジョーンズなのだろう。
が、「逃亡者」のときのようなキレモノの役とは全く逆の「何もしない・できない爺さん」として登場する。
原題は「No Country for Old Men」とのこと。
老人に住む国はない。と。
殺人鬼は、この老保安官の目を通した手のつけようのない怖い国の象徴なのだろう。
ノーカントリー。問題提起のみの不条理な映画ではあるが、余韻は深い。□