本屋大賞受賞作ということで手にとってみた。
小説というよりも実際にあった事件の資料をかき集めたノンフィクションのようなリアルさを感じる。
娘を殺された女教師、殺した生徒、その母、そして殺した生徒の友人。
同じ事件をいくつもの異なる目が見ている。
が、その立場、考え方の違いによって、事実として同じはずの事件がこれほどまで違うものとなりうるのか?を思い知る構成になっている。
結局、正義などない。自分こそが正義。ということを知らしめる小説だと感じた。
何もかもが毒。先生すら毒。読後の後味は悪いが、読み手を没頭させる文体、テーマであることは間違いない。□