今日の一冊

「運慶 リアルを超えた天才仏師」新潮社
 山本勉 みうらじゅん ヤノベケンジ 橋本麻理共著

東京国立博物館で開催中の「運慶展」。
八大童子立像を見た時、電撃が走った。
わずか1メートル程度の小柄な6体の像が
生き生きとし、可愛くて、凛々しい。のであった。

運慶と言えば東大寺の国宝・金剛力士立像が著名だ。
運慶で代表される名前はいわば「組織」の代表であり、
工房を構え、組織的にものづくりを行い、その理念を
あますところなくすべての仏師に共有し、これほどの
無二の像を生み出したというところが興味深い。

歴史に残る作品を遺した人間がどのように生き、
何を考え、悩み、どう作品を制作したか。
そんなことに学び思いをはせながら本書を熟読した。

写真も充実しており、執筆陣もすばらしい。おすすめの一冊である。□

 

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