歳をとってる場合じゃない。

世の中の多くの人々のお困りごとってやつは、もうとことん根絶やしにされているのだな。と思うことがあります。
もちろんまだまだ複雑な人類の課題は残されていますが、ちょっとした「あったらいいな」くらいのものはもうたいてい「ある」のです。
僕の場合、課題があったとしても「あったらいいな」と思う前に「そういうものなんだ」と無意識に自分に言い聞かせてしまっていて、耐えることに決めちゃっていることが多い。
良く言えば、辛抱強い。悪く言えば、面倒くさがり。


5月の連休に、大雨の長崎を歩いていたとき、靴に雨が浸み込んでぐしょぐしょになりました。
「防水スプレー使わんのか」と一緒に歩いていた先生に指摘された。
そのとき初めて防水スプレーというものがあることを知ったのです。
雨の日の靴は濡れるものと思い込んでいたけど、すごい道具はすでに開発されていたのでした。使ってみてあらびっくり、雨が全く浸みません。すげー。


ワイシャツの襟の汚れが洗濯をしても落ちない。
ワイシャツは汚れるものだ。着こんで古くなったら捨てたらいい。と思っていたけれど、こちらにも襟専用の洗剤というものがあるということを教えてもらいました。スティックのりタイプの洗剤で、洗う前に襟に塗りこむのです。
襟はまるで新品のように綺麗になったのでした。
ここにも、とっくにすごい道具が開発されていたのでした。


そしてライトボックス
学生の頃、漫画を描いていたときから使い込んでいるライトボックスを今も愛用しています。
箱の中に蛍光灯が入っていて、原稿をトレースすることができるのですが、これがなかなかごっつい。B4サイズくらいだけど、蛍光灯が入っている分、10cmくらいの厚みがあって、なかなか重い。
もう漫画は描いていないけど、絵画制作にも下絵をトレースしたりするのにずっと使っているので、さすがにそろそろ新しいものを買おうと調べたのですが。
...........もう時代はLEDなんですね。薄いです。8㎜くらい!しかも明るい。そして、A2サイズの大きさ。制作が、いっきに楽しくなるくらいの進歩がここにもあったのでした。


たぶん、他にも無意識に諦めている僕にとっての「小さな我慢」という程度の事は、たぶんほとんど解消されちゃっているのだろうね。
世の中が求めているお困りごとってのは、もう複雑で難しいものしか残されていないようです。
ものづくりは、これまでのものづくりに連続した機能拡充では、世の中の人はついてきてくれないのだろうなぁ。
まぁ、それでもイノベーションに終わりはないと考えます。

いままでの不便だったところや課題が解消されたことで、効率が向上しているのだから、そのぶん、より複雑なものを作りやすくなってきているのだろうと思います(ますますたいへんだけど)。

僕たちは、あたらしいものを取り入れて、あたらしい時代のものづくりに立ち向かっていかなくてはならないのだろうな。まだまだ歳をとっている場合じゃない。□