源泉

仕事がのってきているときに限って、その後に予定が入っていたりする。

これほど調子がいいのは久しぶりだ。もうちょっと描きたい。でも予定が入っているから........と筆をおき、断腸の思いで外へ出る。
何故こんなときに限って予定を入れてしまったのだ.......!と嘆いてみたりもする。


でも、ちがうんですよね。


「仕事がのっているときに予定が入っている」のではなくて、
「予定が入っているから、仕事がのってきた」のです。

予定が入っている。時間は無い。追い詰められている。だからこそがんばろう。なんとかしよう。と取り組んで調子があがっていくのです。
もし予定が無かったら、きっとぐだぐだ、だらだらと仕事を続けて、結局「今日はだめだった~」なんてことになったりするのです。

これまでさんざん「締切」には苦しんで生きてきました。
だけど締切がなかったら、絶対に仕事を終えられなかったことを、身体が知っている。

 

関西二紀展の制作がようやく終わりました。

5月の休み明けに、まっさらなキャンバスからスタートして20数日。かつてない短期間でありながら、なんとか完成させることが出来ました。
でも今日、制作中にできていなかった他の仕事をやるつもりでいたのだけど、結局なんにもできなかった。いったい何をしていたのだろうかと思うくらい、時間は空虚に流れて終わりました。

締切がなくなったとたん、もうこの様です。

追い詰められているときに限って、他にやりたいことがあふれだしてくる。
でもこれも、追い詰められているからこそ、あふれてくるのだと思います。

これまでずっと締切というものを自分を苦しめるもの。追い詰めるもの。と紐付けていたけれど、そうじゃない。
「締切」こそが創造の「源泉」なんです。
これまで締切は「終わりを告げるもの」と思い込んできました。自分も締切にひきずられていたように思います。追い詰められた果てに、妥協もたくさんありました。
でも、これからは「締切」を「創造のはじまり」「源泉」ととらえてみたいと思っています。
今後、少しずつ作品も、作品に対するアプローチもいい方向に変わるかも知れません。

 

関西二紀展は6/19~24に大阪市美術館で開催。
「源泉」から出たものを是非観に来てください。□