絵本論

最近、絵本にはまっている。


図書館に足を運んでは何冊かめぼしいものを借りてきて読んでいる。


面白い。


絵本のすごさは、極めてシンプルな形で本質のみを表現・伝達しようとしている点にある。


人間は年齢とともに経験が増えていくから、驚きの回数も減っていく。
一度驚くと免疫ができて、同じような事件では驚かなくなる。
でも欲望にはきりがないからさらなる刺激を求めていく。
作る側と消費する側は指数関数的に上昇する欲望のいたちごっこを繰り返している。
が、いくら表現手段が複雑になっても本質ってのは実はとてもシンプルで普遍的だ。
我々の見ているものはおそらく余計な肉付けがされているだけで、実は突き詰めたら言いたいことは1つ。ということも少なくないはずだ。


その点、絵本は余計な肉がない。そこがいい。


わかりやすく想像の余地を残す絵と、本質をずばりと伝える少ない文字。
これだけの表現手段で幼い子供に哲学や道徳を伝える。
作る側のストイックな努力を感じる。
否、彼らは楽しんで描いているからこそこちらも楽しめるのだろう。努力というものは皆無なのかもしれない。
まがいなりにも自分も同じ表現者として本質を見据えカタチにしていきたい。


ちなみに、最近読んだのでよかったのは「スーホの白い馬」。
オススメです。□