あくまでも表面を低空飛行で飛び続けている。
決して地表の裏に回りこんだり、その下に深く潜り込んだりはしない。
いわばまっすぐ。いわば純粋。
だが技術者としては「向いていない」。
.....これが他人が見た俺への客観的な評価であった。
これまで自らが頑なに拒んできたこの禁断の言葉が他人から発せられてしまった今、俺には何が残されているのか.....。
自らに問いかけてみる。
「俺のアイデンティティとは何ぞや?」
やっぱりわからない。
隣の泥酔した高年サラリーマンが絡んできた。
「アイデンティティはと何ぞや?」
知るか。そんなもの一生かかって探すもんじゃい。
酒を飲むと何故こんなにも悲しくなるのだろう.....。□