失敗のススメ

後輩が一人暮らしをはじめたという。

新築のマンションとのこと。

新しいマンションでの新しい生活。

何もかもが新しいこのワクワク感。

かつての自分にもそういう時期があった。

 

自分がマンションで一人暮らしを始めたころ、

セールスマンがやって来ることが度々あった。

24時間換気のマンションである。寝室の壁に

外気を通す小窓がありフィルタがついていた。

管理人の公式な許可を得て、各部屋の方々に

大切な説明をして回っている。

インターホン越しに言われ、つい部屋に通してしまったが。

要はフィルタ3枚1000円!という非公式な商売なのであった。


そんなわけで新生活を始めた後輩に、

変なセールスマンには気をつけろ。

とアドバイスをしてみたのだが。

果たしてこのアドバイスは正解か。

 

順風満帆な話って実はつまらない。

 

人は誰かの小さな失敗や痛い話を案外楽しみにしているものだ。

ふりかえると自分は失敗や痛い経験がなかなか多い奴である。

だが今となってはそのネタが他人とのコミュニケーションの

多くを支えてくれていることに気付く。

失敗の経験が自分の心の厚みや姿勢の源になってくれている

ような気がしている。

 

後輩には、変なセールスマンに注意しろとアドバイスしては

みたものの、危険が無い範囲で、あえて部屋に招き入れて

何が起こるか観察してみろ。と伝えてもよかった。

こわいけどね。

当時の自分は知らなかったから部屋に入れてしまっただけで、

危険を知りながら部屋に入れるというのは無謀かもしれない。

 

失敗はいろいろするものです。

でも失敗しても落ち込まずに!

やったネタができたっ。くらいでいいのです。

それは全て他人への元気の素となるのですぜ。□