死んでも死なない

井の頭線渋谷駅の改札を出てすすむと、岡本太郎の大作「明日の神話」が見えてくる。
横30メートル、縦5.5メートルの超大作である。
メキシコのとあるホテルのロビーに飾られるために描かれた作品だったが、ホテルが閉じ、埋もれていたところを、ファンや有志が救い出して、日本に移動させ、復活させたのであった。

話は変わるが、先日ロックバンドQUEENのボーカル、フレディ・マーキュリーの新曲「Time Waits for No One」が発売された。
生前に残してきた秘蔵の楽曲が発掘、再構築され、今回日の目をみることになったという。

マイケル・ジャクソンは没後から8年経った2017にニューアルバム「スクリーム」を発表した。

彼らに共通することは何か。


「死してなお発表を続けている」


彼らが生前に残してきた仕事や言動、人柄は、あまりに大きなカリスマ性やエネルギーを持っていて、残された僕らへの記憶に強く焼きこまれている。
残された僕らは、不思議な彼らのチカラに今なお突き動かされ、体を貸すような形で彼らの遺した仕事を発表させているのである。


「死んでも死なない」。なんとも途方もないエネルギーである。


で、今日の本論は書籍「岩田さん」。

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今は亡き任天堂の元社長岩田聡氏が生前に残した言葉を集めた書籍がこのたび発売となった。

生前に氏が残した業績がどれだけすごかったかは、本を読んでいただくとして、岩田氏にもまた「死んでも死なない大きなカリスマ性」を感じてしまうのである。

亡くなって3年後である今、残された僕らが岩田氏の業績や言葉、人柄を残して伝えたいとこの本を誕生させたのである。
本当に、強く美しい人だったのだと思います。

岩田氏から現在の任天堂に引き継がれ、生き続ける美しいプロダクトやポリシー、信念のようなものを本書から掬い取って、これからの人生に共に生きていきたいと願います。

夏休みの1冊に、是非。□