決めなくても、決まる。

 

なにかを進めるときに、僕は概ね全部決めてから動きます。

 

それは良いとか悪いとかではなくて、僕がただそういう「タイプ」であるというだけです。
自分のこれまでの経験で、それが一番やりやすくて、うまくいったと感じてきたやり方なのです。
でも、全部決めて動くというそのスタイルを、いつの間にか「正しい」と思い込んでいたのかもしれない。
でも、決めなくても決まることがあるのです。

この連休に両親を招いて、恒例の秋の京都観光をしました。
どこに行くかといったコースは、あらかじめ全て決めていました。
でも、今回は旅の工程が概ね順調に流れて、次に行く場所の案がぽっかりと無くなったのです。
見学する場所を即席で追加することも考えたけれど、両親があまり乗り気ではなかったので、京都駅に戻ってお茶でもしようという話になりました。
が、京都駅へ向かう途中の駅で、偶然見つけたデゴイチの博物館。
「無料です」という案内表示に誘われて、ふらりと足を向けてみたら、喫茶コーナーがあったのです。
ではここでゆっくりしたらいい。ということでビール1杯。と注文したところ、喫茶コーナーの横に用意された小さなステージに、なんと突如、お猿さんが現れたのです。

予想外の猿回しが始まったのでした。

先ほどまでに閑散としていた喫茶コーナーは、いつの間にか一気に観客が集まって大盛り上がりのステージに変貌したのです。
お猿さんは、3メートルもの竹馬に乗ったり、楽器を演奏したりと、次々に優れた技を披露してくれました。
偶然見つけた喫茶コーナーで、偶然はじまった猿回し。
20分ほどの演目でしたが、ビール片手にとても有意義な時間が過ごせたのでした。

企画ってのは、全て頭でするものでは無いのですね。
お茶でも飲んでゆっくりしようと思ったときに突然外から降ってきたりする。
あまりごりごりと詰め込まなくても、ゆっくりするだけでも楽しい時間になったりするのですね。

紅葉色づく京都で、楽しいひと時を過ごしながら、なにかを教えてもらったような貴重な経験をすることができました。□