有給休暇の過ごし方

有給休暇を取ってみる。

でも休むためではない。

いつもの時間に起き、

いつもの時間に朝食を食べ、

いつもの時間に職場へ向かう。

でも職場にはいかない。

電車に乗り続け、本を読み続ける。

終点の京都まで行っても下車はせず、Uターンしてくる。

反対側の終点駅についても下車はせずまた京都へ向かう。

ずっと本を読み続ける。

ひたすら本を読み続ける。飽きるまで。疲れきるまで。

......そんな有給休暇をやってみたい。

折角の有給休暇なのだから、家でじっくり読んだらいい。と多くの人は言うかもしれない。

だが、電車の中でこそ、読書ははかどるのである。

映画は映画館。ウイスキーはBAR。というように、読書は電車で。である。

限られた狭い空間、時折やってくる揺れ。そんな悪条件も好条件となって読書を後押ししてくれるように感じる。

電車に乗っていることすら忘れ、本に没頭する。毎日、顔をおろし本を読みはじめ、気が付けば職場に到着している。もう読書時間は終わりか。とため息をつきながら駅から職場までのわずかな距離を歩く。
電車を降りずにこのまま読書出来たら、と思うようになった。

限られた時間。限られた空間。だからこそできること、はかどること。っていうのが世の中には、結構あるのですね。□