春の問いかけ

S50の絵が完成した。


今回もなんだかんだで2ヶ月もかかってしまった。


手が遅いのは迷いが絶えない証拠だ。.....まだまだ未熟。全然未熟。
いつもながらもうこんな絵は見たくもない。
絵は見るたびに俺を質問攻めにする。
絵は迷う前に終わらせるに限る。といつも自らを叱咤するのだがうまく抜けられたためしはない。


逃げるように外に飛び出したら隅田川沿いの桜はもう7、8割が咲いていて、早くもコートを着込み酒を片手に夜桜見物をきめこんでいる集団がちらほら。
春だなあ。と感じる。


日本には桜について歌った名曲が多い。桜は日本人のDNAに染み付いている。季節の移り変わりを五感で感じる日本人だからこそ歌いこなせるのだろう。
今年はエレファントカシマシの「桜の花、舞い上がる道を」がいい。


普遍的なものの美しさに触れ、そのよろこびを形にしていく。それが歌であり絵である。


少しでもその普遍に近づければいいと願い筆を握る。


だが遠い。どうしたらあの虹に手が届くのだろう。問いかけは絶えない。□