心の銭湯

 

居酒屋という空間が好きだ。


毎日いろいろな人がやってきて、溜まったストレスを
美味い酒と肴をあてにしてリサイクルし、去っていく。


「居酒屋は心の銭湯」という名言がある。


酒場は肉体でなく心を裸にする場所なのだ。


そんなわけで飲み会を企画することが多い。

私の行動指針は「誘われる前に誘え」なのである。

が。

幹事もすっかり板についてきたと自惚れてみれば、

この期に及んで未だ参加者のニーズに応えきれない。

 

金曜日に職場の同僚と行ったイタリアン居酒屋。
美味しかった。いいコースだったと思う。
だが。我々が食事をしている間、どういうわけか、
なんと誰の一人として他の客が入ってこなかった。
雑誌にも載っていた店で料理はおいしいというのに....。
何か気になってしまった。

そして更なる悲報。
メンバーの誰もがビール派だった。のである。
いくら日本酒やワインを取り揃えた店を選んだところで
飲まない彼らには全く価値になりえなかったのである....。

 

「気を取り直して二次会に行こう!」

 

と予約もせずに飛び込んだ安酒場。
ハイボール2杯とつまみでたった1000円。
店内はものすごい賑わいだった。これぞ居酒屋である。

しっかり企画してすべる。勢いで飛び込んで当たる。

居酒屋の奥の深さを思い知ってしまう。

居酒屋ソムリエへの道はまだまだ遠い(そんなん目指してたのか)。□