目が泳ぐ

 

「では、最後の挨拶は増田さんに」

 

相談も事前に全くありませんでした。

せめて10分前に声をかけていてくれたら...。

しどろもどろになりながらも、にやにやと

余裕のあるふりをして間をつなぎながら、

頭の中では無茶ぶりをされた芸人のように

即興で言葉を探している。

.......でも、だめでした。

酒も入ってしまっていて全く言葉がわいてこない。

先輩課長が目を泳がせる僕を見て手を差し伸べてくれました。

「何分もたせたらいい?」

「3分。否、1分お願いします....!」

結局1分をもってしてもつなげることはできず、

お茶濁しの一本締めで逃げ切ったものの。

「一丁締めじゃないんか。チコちゃんに叱られるぞ」

最後の最後まで踏んだり蹴ったり。でございました。

予習の男、増田力也。無茶ぶりに屈する。の巻(完)□

 

#まだまだ、修行が足りません.........。