「まったりの一日」
今日一日を振り返ったときのひとことを、
ほぼ日手帳に記録したとき、手が止まった。
まったり...。
こんな言葉を自分の日常に当てはめたのは、どれくらいぶりだろうか。
もしかしたら初めてだったかもしれない。
不便。嫉妬。枯渇。もどかしさ。怒り...。
そんな気持ちが頭の中でどろどろのスープになってずっと沈殿していて、それが自らを日日猛々しく突き動かしていたエネルギーの源だったと思うのです。
まったりとしている今、ぼくはそういう貴重なエネルギー源を失いつつあるのかもしれない。
これは芸術というリングに片足を突っ込んでいる者にとっては致命的な喪失ではないか。
描けない。伝わらない。世界の冷たい目。焦り。失望。挫折。
目を背けたくなる負の力が自分を描かせる方向に向かわせていたと思うのです。
描く気持ちはある。
でも、まったりとした自分の中にある制作への思いはただの日曜画家ではないのか。
まだなにも始まっていないのに、まったりなんてしていていいのか。
このまったりは脱皮直後の自分である。今一度、新たな蘇生をするときが迫っている。□