料理と絵画

料理は絵画にとても似ている。

調味料はいわば絵具である。

赤、青、黄、緑、橙、紫、茶、黒、白.....

世界のどんな名画も、これらの絵具だけで描かれている。

塩、醤油、酢、塩、砂糖、みりん、みそ、ごま油、にんにく、生姜....。

対して、料理の味付けはこの程度の種類の調味料、食材で行われている。

どんな料亭の料理でも、ミシュラン星3つのレストランでも、これらの組み合わせだけで素晴らしい料理たちが作られているのである。


絵の具の調味料も共に、混ぜ合わせることにより様々な色合い、味わいを生み出す。

使っているものは誰もが同じなのである。
京都祇園の料亭の料理長ですら。居酒屋の大将ですら。専業主婦ですら。そして僕ですら。
そこに、もしかしたら僕も優れた作品を、料理を、生みだせるかもしれない。という淡い期待をいだかせてくれるのである。

別に偉くなろうプロになろうとかそういうわけじゃないけどね。

なんか特別な人だけが特別な雲の上で料理をする。絵を描いているというわけでもなくて、誰もが同じ条件で並んでいると感じられるところが、ひそかに燃えさせてくれるのです。

絵画に惹かれる僕だからこそ、エッセンスの似ている料理にも惹かれたのではないかと思うのです。

世界の一流シェフも絵画、アートに関心はあるのだろうか...。□