アトリエ近所にある喫茶店に行く。
ハンバーグやエビフライ、パスタなどのしっかりとした定食を出してくれる。
接客も丁寧だし、居心地もよい。
お店としては、喫茶店であるが、客からすると、もはやレストランである。
その日、久しぶりにその店でランチをいただいたのだが、食後に胃がもたれた。
食べている間、調味料の味が濃すぎる気がしていた。
歳と共に、体質が少しずつ変わってきているのかもしれないが、そのことによって、今まで気にも留めていなかったこの店の料理の、体へのダメージに気づいてしまった。
居心地はいいし、接客も、仕事もたいへん丁寧な、まさに「名店」なのだが、実は料理そのものに穴があった。
口から胃に運ぶ過程は「美味しい」のだが、胃から全身に運ばれる過程が「不味い」ことに気づいてしまった。
接客や料理、サービス、全てにおいて丁寧に対応することを、店長はじめ従業員一同で徹底して、お店を立ち上げ磨き上げ、今まで来たのだろう。
ただ、ある程度安定した経営になってくると、その仕組みの上に自然と寄りかかるようになってしまっているのかもしれない。
店もずっと変化をしていかなくてはいけない。
これでいいと思ったら、もう下降が始まっているのかもしれない。
自分のことのように思いながらも、サービスを提供するという難しさを知る。
客ってのは本当に厳しいと思う。□