職場の最寄り駅前にある居酒屋が元気である。
主にランチをいただくことが多いのだが、中でも唐揚げ定食が絶品である。
これまで随分とあちこちで唐揚げをいただいてきたが、この店の唐揚げこそが、真の唐揚げだと確信している。
多くの唐揚げは、コロモがいびつな形をつくっていて、どこに肉が入っているかがわからない。
エイヤとかぶりついてみても、ほとんどがコロモばかりで肉などほとんどついていなかったりする。ナンチャッテ唐揚げばかりなのである。
この店の唐揚げは不自然なコロモはない。
肉厚のジューシーなカシワが必然のコロモのみをまとっている。
しかも肉にはきれいな切込みが入っていてとても食べやすい。
まるで、スラリと粋に立ち、シャープな眼光を放つデンゼル・ワシントンのような唐揚げだ。
そもそも、まず店員の笑顔や接客が丁寧で、お客様第一を実践しているのである。
職場は辺境の地にある。
こんな辺境の地にも、灯台下暗し哉、都会には無い鋭さを放つ店がそこここにあるものである。
むしろ都会の店こそ、ほっといても客が集まったりするものだから、堕落したゆるい店も多い。
居酒屋は場所ではない。
仕事への丁寧さ、接客の美しさ、料理のうまさ。これらは場所には一切関係はない。
いつでも、どこでも、美しい仕事をしている場所には、人は集まるものである。
場所に依存しない良い仕事をしたいものである。□