制作日記

 

4月の個展がじわりじわりと迫ってきている。

 

2018年の個展が終わるときに2020年の予約を入れた。

予約を入れたときから、すぐに次の戦いが始まっている。

脳の片隅に個展の予定が焼き込まれ、最初のうちは小さな点のような不安の種が、時間が経つにつれ、じわじわと大きくなる。
まずいなあ、進んでないなあ、大丈夫かなあ......。
ずっとそういう気持ちが頭の中にこびりついているのだが、日々の雑務に埋もれ、制作はちっとも進まない。
気づけば年が明け、3か月前に迫っている。これはまずい。絶対にまずいぞ....。というところになってようやく火が付くのだ。
そしていつも思う。「なんでもっと早くからこつこつとやっていなかったのか?」と。

だが、このあたりのどうしようもなさは、これまでの個展のたびに繰り返していて、もう9回目である。そして、なんだかんだで概ね追い詰められながら乗り切るのである。
さすがにもう、どうにかしようとも思わなくなった。直すことはできない。これがぼくという人間なのである。

業務を終えて帰宅し、調理・食事をしてから制作に入る。

本当は食事のときに、その日一日を振り返ったりしながらビールで乾杯といきたいところだが、制作ができなくなるので、制作を終えるまではぐっとこらえる。

ゲームもストップ。録画したテレビも見る時間はない。全ての時間は個展にもっていかれる。

しんどいな。と思うことがある。

だけど、刹那、もしこれがなくなったらどうしているか、と考えてみると、結局、ご飯を食べてテレビを見て酒を飲んで眠ることしかやらないだろう。そういう自分もよくわかっている。
結局、どんなにしんどかろうが、絵が下手だろうが、へたれだろうが、やっぱり最後の最後は消費するよりも創造する側にしがみついていたいのです。
ならば、しんどい。などと思わず、楽しい。と思わなくては。

毎日の生活に流されているときは、とても描けない。個展などできない。と絶望的な気持ちになるけど、一回火が付いて、毎日の生活の流れに逆らい始めるリズムができると、「あ、やれそうだな」「楽しいな」とか思い始めるのだから、人間というのは不思議なものです。

だいたい頭の中でコンセプト設計はできました。あとは描き切るだけです。

個展まであと50日。□