子供のころ、ウイスキーというものはとても大人なムードがあった。
実家が寿司屋だったから酔っ払ったお客さんの姿を見ることも多かった。
ビールや日本酒で酔っぱらったおっさんたちは、酒に飲まれていたが、ウイスキーを飲むおっさんは、酒に飲まれてはいなかったように記憶している。
アメリカの映画なんかでも、客人を迎えた紳士が、棚からウイスキーを取り出して小さなグラスに2つついで一緒に、クイと飲み干すシーンがとても粋に記憶している。
あのころはただ「大人の世界」「苦い飲みもの」というくらいしか思っていなかったのだが、最近になって、ようやく(というかもう?)この世界に追いついてしまったような気がする。
全ての仕事を終えて、チョコレートを1つ2つとサントリーオールドを少し。
チョコレートを少し食べて、ウイスキーで流しこむ、この至福。
バーに行けばもっとほっとする。
映画を楽しむのが映画館ならば、洋酒を楽しむのはバーなのである。
1日の終わりにチョコレートをお供にウイスキー。
この時間が今日の自分をリセットしてくれるのだ。□