夢十夜 Season5 第六夜

 

こんな夢をみた。

 

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公文式の教室を体育館のように広くした講堂に、たくさんの長机が並べられている。
部屋の隣は、大きな温泉が湧いている。

この講堂に受験生、学生、社会人が一堂に集められ、いくつかのグループが上からの指示で編成された。

個々のグループで自由に研究テーマを決め、商品を作り出す使命が課せられた。
単なる実験や研究ではなく、商品を作り出すまで、帰ることも逃げることも許されない。

グループのメンバーは、全てが顔の知れた友人だけでなく、苦手な大学時代の同期や、職場の同僚も無作為に割り当てられていて、商品を作り出すどころか、声をかけるだけでも、それぞれが重い気分になり、硬直している。

やがて2,3人の顔見知り同士が声を掛け合い、タイヤやら鉄鋼、赤こんにゃくといった素材を壁面に並べて、部屋の片隅で分析、協議を始めた。

気まずく声をかけられなかった数名のメンバーもこの場に相乗りをして議論が少しずつ温まり始める。

温泉から出てきたばかりの素っ裸の男も、こちらの協議にずうずうしく参加してきて、議論は大いににぎわい始めた。

最初に話を切り出した男がほぼチーフとなっていたが、それは自分の同僚だった。
自分の職場ではほとんど活躍をしていない男であったが、材料分析というこの分野については、まるで水を得た魚のように強い意志と経験をもち、全員をけん引している。

彼が「人間の頭皮が必要だ」と言い出す。

商品を作り上げるためには、裁断機を使って、人間の上部、側面部、後部の頭皮をはぎとって、材料としなくてはならない。

哀願するような目で一堂を見渡す彼の視線を避けるように目を泳がせている我々。□