今日の一冊

 

「黒いトランク」 鮎川哲也著 創元推理文庫

 

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難解すぎる。

本格ミステリーの中では歴史的に残る傑作と謳われる本書であるが、自分にとっては最後まで、まるで難解な数学書哲学書、あるいは「カラマーゾフの兄弟」を読まされているような、窮屈な気持ちでいっぱいだった。

何時何分に誰がどこで電車に乗っただの降りただの、どこでトランクを出しただの、受け取っただの、いくつもの要素、いくつもの切り口で、文字が延々と並ぶ。
そもそも、何が問題なのかすらよくわからない。
何度も同じ箇所を読み返し、図を作って、絵をかいて、時刻表を眺め、地図を眺め、何がおかしいかすらも探さなくてはいけないような、相当な努力が求められた。

基本的に自分は時間貧乏であり、今は電車の中など限られた時間にしか読書ができない人間であり、細切れで読むことになるから、細かいことをいちいち記憶して読んではいられない。
次に続きを読むときには、すっかりその前の情報が飛んでしまっているから、いちいち読み返しが多発して、遅々として読み進まない。

結末についても、すごいのかもしれないけど、やっぱりどこが結末なのかがよくわからず、引きずられるかのような気持ちでなんとか読み切った感じになり、すっきりするどころか「苦しかった」という気持ちだけが残りました。

時間のある学生時代にでも一気に読んでおきたかった作品かもしれない。

真相が全部わかったうえで再読するのがいいかもしれないが、もう体力ないです。□

 

 

 

 

 

 

 

 

(以下、自分メモ;ネタバレ全部書いてますので見ないように)

 

 

.....まあ、自分でこれを見返しても、やっぱりよくわからないので、第三者がみてもわかるわけないと思うけど。

 

 

 

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