久しぶりに、人に会って話してみて面白いと感じたのは、
自分が心の中にためている外に捨てたいほどの不安や毒ガスを、
相手は面白いと思って受け取ってくれる点だ。
相手にとっては、それが栄養素になっている。
逆もしかり、自分も相手の地獄のような話を聞きたがっている。
お互いが、お互いの心の毒を栄養素としている。
人間が吐き出す「二酸化炭素」は人にとっては有害なガスだが、植物にとってはそれが栄養で、植物にとって不要な「酸素」を生み出し、それは人にとって栄養になっている。
そんな関係にとても似ている。
互いが不要なものを互いが求めあっているという不思議な関係。
人と会って話すというのは、
そういうお互いの毒の交換をしているのだと体感したのです。
人に会うのが苦手だとか嫌い。というのは、たぶん、もう相手に渡すには申し訳ないと思うくらい自分の中の毒ガスがたまっちゃっているからなのではないか。
それでも会って話すほどに、そんなものはすぐに相手が食べつくしてくれて、あっという間に氷解していくのにきっと驚くことでしょう。
いったい自分は何をためていたのだろう、と。
さあ、人に会おう。と思うわけです。□