回収する。

 

昔、置いてきてしまったモノやコトを、

生きているうちに回収しておきたい。

 

そういうものってないですか。

例えば、怖くてずっと観られなかった「エクソシスト」だけど、
いつかは、必ず観ておきたいと思っている。とか。
当時は、そんな怖いもの絶対に見られない。と完全に人生の選択肢から排除していたけど、時間が経つにつれて、義務感というか、興味というか、やり残しては置けないような気持になってきて、回収しておきたいと思うようになる。そういうものです。

 

小学校時代に買った「大どろぼうホッツェンプロッツ」だが、結局読まずに終わっていた。
もうそのころから自分は、積ん読の癖があったのだ。
本は好きですぐ買うのだけど、買って満足しちゃう。
読んだらもったいないとか変な理由をつけて、大切に持っていて、いざというときに読もう。なんて思っているうちに、次の本が出たやら、ファミコンに忙しいやらで、時間が流れて、結局、一度も読まないままお蔵入りになってしまう。

「マガーク少年探偵団」も、目を引くイラストレーションがカッコイイからジャケ買いして、大切にもっていたのだけど、読んだか?というと読んではいない。ただ持っていただけ。だったのである。

素晴らしいイラストレーションとブックデザインに惚れて、表紙を眺めて、パラパラと挿絵を眺めて楽しんで、で、終わってしまったという。

 

そういう本を今、回収したいと思い、「大どろぼうホッツェンプロッツ」を読んだのだが。

 

めちゃくちゃ面白い!

挿絵も素晴らしい!!

 

みたび。まで一気に読んでしまった。

1,2で大どろぼうとの壮絶な罠の掛け合い、戦いがあり、差ながら江戸川乱歩の少年探偵団VS怪人二十面相のドイツ少年版を読んでいるようだ。

そして3でのホッツェンプロッツが堅気になろうとするという変化球的展開もいい。

どうなる?!という続きが気になる展開と、わかりやすいストーリー運びと優れた挿絵で、最後まで一気に読ませる力がある。

 

なぜ今までしっかり読んでおかなかったのか。

まあよい、今読めたことに感謝を。

引き続き、過去に封印してきた数々の名作を紐解いていきたい。□