進撃の巨人 その1

 

進撃の巨人を読み終えた。

 

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今、ちょっと脳が呆けてる。

いろんな気持ちが頭の中でごちゃごちゃになっていて、良かったのか、悪かったのか、すら言葉にできない状態なので、思うがままに書いてみる。

 

読まなければよかった。という気持ちがある。

 

終わってしまったというロスの気持ち。

知らないままでいたかったという気持ち。

物語の結論への複雑な気持ち。

 

進撃の巨人」はストーリーの見せ方、運び方にものすごい魅力があって、続きが読みたい!結末が知りたい!と惹かれて、一気に読んでしまったが、真実を知ってみると、もう知らなかったあの頃には戻れない。物語を追いかけているときの方がよかったなぁ、という気持ちが湧いてくる。

それは途中にもあった。

前半は巨人の恐怖と謎に立ち向かう調査兵団の活躍が描かれていて、でくのぼうかと思っていた巨人たちの中に、意思を持った巨人が登場してきたとき「なんだこいつ!?」とミステリーの渦中に放り込まれ、翻弄される気持ちになった。

それがとても面白く、一寸先は闇という展開にハラハラとページをめくったのだが、後半に入るとそれらの謎がすっかり解け、初めて読んだ時の、意思を持った巨人の恐怖感というのは二度と味わえなくなる。

知ってしまうというのは何かを失うことでもある。

そして今、物語の結論まで読み通して、改めて物語を振り返ってみると、地ならしが起こる前くらいまでの、「アクション」やら「それぞれの策略の探り合い」といった世界観は、「歴史」「哲学」「悲劇」の世界に変わり、読み終えた今も、未だ頭の中で物語が1本につながらずにいる。

エヴァンゲリオンも、結末に強く惹かれて20年もの時間、作品と共にすごしてきたが、何度も提示されてきた終わり方に、時間をかけて免疫を作ってきたという部分もあって、この前の劇場版でのラストは、大団円として受け入れることができた。

 

進撃の巨人の結末は、まだ受け入れることができない。

12年という時間があったのだけど、読んだのは一気だったので、早すぎて、なんだか頭になじんでいないような感じがする。

地ならしを発動させ、人類の悪役としてラストまで突っ走ったエレンだったが、最後の最後に正義として、エレンの想いが調ったと思う。
が、その後少し描かれる人類の未来は、必ずしも輝かしいものでもなく、また人類は、戦い、苦しみの連鎖に戻っていくように見え、「残酷」な世界に、若干気が滅入った。

 

知らないままでいたときのあの楽しさやワクワクと、知ってしまってから滅入る気持ちをはかりにかけたとき、やっぱり知らない方がよかったなと思ってしまう。

ここにはもちろん、「ロス」という気持ちが大いに混ざっているのだが。

 

この大いなる物語が結末を迎えたことは、間違いなく漫画界においても、歴史的なニュースの一つだとは思う。

 

頭が整理できて来たら、もう少し書くかもしれない。□