秋のスケッチ合宿から

恒例となった秋のアトリエスケッチ合宿に参加した。


今回の舞台は丹後半島。総勢24名に渡る大所帯による2泊3日のツアーであった。
丹後半島は金太郎飴のようだ。どこを向いても描けてしまう。毎朝6:00起きで描きに描いた。


合宿は初参加以来4年ほどが経つが、次第に自分も変わってきている。と感じる。
昨年くらいまでは、とにかくぎらぎらしていた。
他人の描くものにショックを受け、そのたびコノヤロウ!と闘志を燃やしていたのだが、今やそんな闘志はすっかり鎮火されてしまっている感じだ。
あたかも、お笑い芸人のネタを純粋に「それおもろいやん」と楽しむような感じで皆の作品を眺めている。


それぞれ個性の異なる人たちの作品に一々対抗してもきりがないし、そんなことを目的にスケッチをするという意識が知らないうちに消えている。
自分にとってスケッチは、あくまでも息抜きであり、タブローへの取材が主目的となって体に染み付いた感じがしている。
スケッチするときの姿勢として、うまくなりたい!というよりも、たまった毒素がきちんと外に排泄できたかとか、今回の取材でいい絵を構成できるか、ということだけが頭にある。

一緒に行ったメンバーからは建物の描き方の相談を受けたりもした。
そんなことはこれまでなかったのに。
これも周りが自分の変化に気付き始めた証拠なのではないかとも考えている。


この「静けさ」が良いのか、悪いのか。はよくわからない。


でも楽しかったのでひとまずこれで良しとしておこう。□