ダイアリー・オブ・ザ・デッド (7点/10点)

元祖ゾンビの巨匠ロメロ監督の最新作である。


前作の「ランド・オブ・ザ・デッド」公開でそろそろ引退?と思っていたのだが、とんでもない誤解であった。
ロメロ監督の頭にはまだ100本ほどのゾンビ映画のネタが眠っているという。
ならばファンとしてはそれを取り終えるまではゾンビになってでも撮影を続けていただきたいと切に願ってしまう。


さて、今回の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」だが、昨今のインターネットやブログによる世界的な情報共有が当たり前になったこの時代を風刺しながら、ゾンビに支配されていく世界を映像に記録する映画学科の学生たちの生き様を描く作品になっている。


おもしろい視点だ。と関心していたのだが、作品としては残念ながらちょっと弱めである。


一番の問題は「ゾンビが怖くない。そしてゾンビの印象が薄い」という点である。


特殊メイクが弱いのか、ゾンビとしての殺陣(そんなものあるんか?)の指導がいきわたっていないのか。よみがえった死体、という感じがほとんどしない。迫ってくる怖さも弱い感じだ。

前作の「ランド〜」のゾンビのボスや、「死霊のえじき」のバブといった強烈な個性を持ったゾンビが全く出てこないのである。見終わった後、怖いゾンビの印象が脳に残っていない。
対し、本作のテーマである「ネットでの情報発散」というテーマもあまりうまく伝わってこなかった。
やはりファンとしてはどちからで強烈な光を発してほしかった。


こち亀と同様、もう面白いとかつまらないとかいうレベルではなくて、作品を出し続けているということ自体に賞賛。という世界になってきているのかもしれないけど。


ゾンビを爆弾でふっとばす過激なおじいちゃんや、弓矢でゾンビを倒すアル中大学教授など、人間には面白いキャラクターはちょこちょこいたんだけどね。


次回作に期待します。□