ラスプーチン!

WEB2.0」という言葉は定着を越え、既に忘れられた言葉になってきているように思う。


が、この期に及んでもやはりこの「WEB2.0」に象徴されるネットのチカラに思い知らされることがある。


その1回目は2006年の7月のブログにも記載した「しあわせの島事件」である。WEBを使えばわからないことは何も無い。ということを思い知る、自分の人生にとっても非常に大きな事件だった。


今回はそれに匹敵するWEB2.0体験の2回目になる。


最近通い始めたBARに、ウイスキーを飲みながら、その店のアナログレコードのコレクションを聞かせてくれるという粋な店がある。


ビートルズから始まり70年代〜80年代の代表的な楽曲がそろっていて、いろいろ聞かせてもらううちに、つい思い出がつながって、あれやこれやとリクエストが芋づる式に続いていった。


曲名はわからないけど。。といって「あーわ、あーわ」と鼻歌で歌った曲も、マスターは「ああ、それは『ラジオスターの悲劇』ですね」などとすぐ教えてくれたりして「ああ、そうそう、それです」とうれしく聞かせてもらっていたりしたのだが...。


どうしても伝わらない曲がでてきたのである。


それは、自分が小学校3年生くらいのころだ。


当時自分の通っていた小学校には「ダンス朝会」という不思議な朝会があった。
先生が朝礼台の上に立ち、全校生徒の前でダンスを指導して、全員で踊るという奇妙奇天烈な朝会である。


そのときに踊った不思議な曲がどうしても耳に残っていたので、もしやこのBARにもあるのではないか、とマスターの前で歌ってみたのである。


ところが、これがわからない。


当時踊ったのが1980年くらいだったからそのころのヒット曲であることは間違いない。


その時代に特に音楽を聴いていたという知人らにも聞いてもらい、居酒屋のおねえさんにも聞いてもらい、その他行く先々で出会う人の誰もかれもにその曲を聞いてもらったのであるが、どうしてもわからない。


これは迷宮入りか.......と諦めかけていたときに、偶然「鼻歌検索サイト」というものを発見した。


midomiというサイトである。


PCにマイクをセットし、このサイトに向かって鼻歌を歌いつけるとその楽曲を検索してくれるというのである。


もう希望はここしかない。というところに来て、一人PCに向かって例の曲を熱唱したのである。


出てくる出てくる。それらしい曲が!
その楽曲タイトルに張られたYouTubeへのリンクでオリジナル楽曲を動画付で確認していくことができる(これは前回のWEB2.0体験の2006年にはまだ無かった技術だった)。


2分くらい熱唱したが、情報が長すぎて、検索がぶれたのか、似ているような感じはするが頓珍漢な曲ばかりがひっかかっている。


気を取り直してさびの部分に絞り、30秒程度歌って再検索をかけたところ....。


見つかった....!のである。しかも検索のトップに一発でひっかかっていた。


その動画を再生したとき、.....「震えた」。


鼻歌。という言葉にはならないうつろな情報ですら、今の時代、検索ができてしまう。という衝撃。


そして、発見されたその楽曲が、あたかも宝くじの当たり番号がぴったりと手元の紙切れの数値に合致したような衝撃として、脳内でぴったり当てはまった、あの衝撃。


その楽曲への枯渇感が一瞬にして開放され、耳から体に快感が沁み込んでいった。


それは、BoneyMの「Rasputin」という楽曲であった。


テレビではアジアカップの日本VS韓国戦が放映されていた。
終了直前で2−2に追いつかれ、PKにまでもつれ込んだ死闘である。


が、そのころ、こちらでは国民の多くの目を奪うその事件ですら、全く目に入らないような事件が、衝撃が同時に展開していたのである.....!!


いつもは、フェイスブックって何だ?とか言っているけど。WEBの技術って本当にすげーところまで来てるんだな。と思い知りました。□