制作日記

 

音楽をやっている人がまぶしい。

 

くうきの振動をCDやレコードに記録した「アルバム」が彼らの形をもつ成果物である。

場所も取らずコンパクトでかわいい。

メロディだけではなく、ジャケットにはグラフィックアート、歌詞カードには詩という表現形態も包含する。

持ち運びができる。

一般的な商業性がある。

芸術性がある。

ライブという臨場感をもつ手段で生の時間を共有できる。

 

対して、絵画はこんな柔軟で多様でコンパクトな手段を持たない。

狭いキャンバスの中で、言葉もない、詩もない、商業性もない。

持ち運びできないし、ライブという臨場感もあったとしても規模が小さい。

 

モンキーマジックが20年の活動を経てリリースしたベストアルバムについて、ラジオで語っていた。

4枚組で70曲に及ぶ楽曲が包含されている。この小さな媒体で20年が俯瞰できるし、アーチストとしてもファンとしても確かな達成感、所有感を共有できる。

仙台から発信される彼らの声と楽曲が、電波にのって、距離を超えて届く。

 

目で観るラジオというものはないのだろうか。

 あ、ネットがあるのか。

といいながら。

やっぱり絵画には、音楽のような生活との密接な感じはないよなぁ。

洗濯物干しながら、鼻歌を歌ったりはするけど、絵画のことを頭に思い浮かべる鼻絵画なんてのはないからね。

絵画ってのは不自由な美術です。□