溜める。

「難民」であることは自分で選択しました。

テレビ、洗濯機、冷蔵庫が三種の神器と言われていた
高度経済成長期を生きた人々は、「欲しい!」という気持ちを
ぐっと腹にためこんで、ためこんで、ためこんで。
1つずつ大切にモノを手に入れてきたのだと思うのです。
新しいものが出ればイナゴの大群のように殺到して飛びついて
一瞬で吸い尽くして、次の餌場を求め飛び去る。そんな現代。
だからこそあえて僕は今「欲しい!」という気持ちを溜めこむ
という体験をしたいと思っているのです。
極論、生きていくために必要なエネルギーはここにあるのでは
ないか、とすら思ってしまう。
欲望を1つ叶えた瞬間、死に一歩近づくような気もするのです。

溜めた方がいい。容易に叶わない方がいい。

ちょっと狂っているかもしれないけれど、
今の日本はそれくらいでいいのではないかと思う。
だから、僕は今あえて「難民」を選択するのです。□