夢十夜 Season4 第一夜

こんな夢をみた。

バングラディシュの観光ツアーに参加した。
土埃の舞う高台の大きな広場に、数百人のツアー参加者が集まっている。
高台からの景観はかつて訪れたリヨンの町並みににていた。
だが巨大な植物に囲まれた広場は密林の中にあるオアシスのようで、まるでリヨンとは似通わない。

どこに行ったらいいのか分からず呆けていたら、一人のバングラディシュ人が電報のようなものを持って現れた。
我々を名指しで呼びつけてついて来いというようなことを言った。なんとも胡散臭い男で、悪だくみをしてそうに感じたので無視していたのだが、仲間たちが彼についてぞろぞろと歩き出したので慌ててついて行くことになった。
高台の端にある長い長い階段を下りていく。
ふと遥か遠くの景色に目を移すと、右手の遥か向こうにピラミッドが見えた。
多くの人が喜び、行こう行こうと盛り上がっていたが、あのピラミッドはかなり遠いと言われ、あきらめた。

高台を下りた我々は、どこかの古い公会堂に連れて行かれた。
どこにでもあるホールのような場所だが、広さが異常であった。数万人は収容できるであろう、広大な観客席には既に多くの人が溢れている。指示された席に座る。
やがて視聴者参加型のステージが始まった。
火がついた石が客席の間を転がってきたり、意味の分からないパズルを解かされたりした。
居心地が悪くなって勝手に空いた別の席に移ったが、強力な権力を持つスタッフが駆け寄ってきて、拍子木のような身分証明書が無い限り、席を変えられないと強制的に元の席に引き戻された。
いよいよ耐えられなくなって、外へ飛び出した。

目の前には巨大な川が流れていて、大きなボートが川岸につけられている。
このボートに乗り込んで次の場所に向かうということだったが、ボートの手前には巨大ないけすがあって、そこに足を突っ込んで歩いて行かないとボートには辿りつけない。
意を決していけすに足を突っ込んで進んでいったが、そのいけすには人食いサメが何十匹も放されていて、悲鳴をあげながらボートまで逃げ走って行った。なんとかかまずにボートには辿りつけたが、まったく生きた心地がしない。□