ゆっくりと、じょじょに。

 

年末がゆっくり、そして、いそいで近づいてきています。

 

今は、ゆっくりと流れる大河のボートに揺られているような時間。

それでも遠くからかすかに大きな水音が聞こえてくるような時間。

水音は次第に大きくなって、やがてその音の源が大滝であったと気づく。

そのときには時は遅く、もうボートは逆らえない大きな力で滝に引き寄せられて、あっという間に滝つぼへと、真っ逆さまに突っ込んでいく。

年末というのはそういう時間ですね。

言うなれば、ただ月をまたぐだけなんだけど、12か月間積み重ねてきたことを振り返り反省したり、積もり積もった泥や垢を、きれいに洗い落として、忘れて、まっさらな状態になって、自分という器をからっぽにして、また次の1年を迎えるための時間でもあります。

やっぱり12月は、ただの晦日ではない。大晦日なのです。

 

正月も。

桜も。

紅葉も。

毎年必ずやってくるのだけど、決して飽きることがないよなぁ。

12か月という時間は、ほどよく僕らの記憶を薄くして、毎年、新鮮な気持ちで彼らを迎え入れられるような猶予のような時間なのかもしれないな。

たいせつに1秒1秒をかみしめるようにすごしたい、かけがえのない時間です。□