コンセプト

中目黒で飲まないか。という誘いがあった。


ここ最近になり、折角場所を変えて飲むのならば「その地ならではのものを楽しみたい」と思うようになってきている。


わざわざその地に赴いてどこにでもあるチェーン店に入ったのでは、折角足を運んだ意味がないではないか。
単に飲むとはいえ、キチンとしたコンセプトがほしい。のである。


その地にこだわった店主が経営している、
その地にしかない店で、
その店でしか味わえないもの・酒、
その店でしか感じられない雰囲気を、楽しみたいのである。



で、中目黒。
この地に来るのは初めてであったが、コーネリアスが根城にしているというだけで勝手にすばらしい場所というイメージをもっていた。


確かにすばらしい場所であった。
にぎやかな駅前から一本裏道に入るともう閑静な住宅街である。
その宵闇の中を暖かい光を放ちながら様々な個性をもった店が客を誘っている。
どの店にしようかと探すだけでも楽しくなってくる。いい街の条件である。


さくっとラム肉を食べて腹ごなしをした後、そぞろ歩きしながらエイヤと飛び込んだのは「音伝」というおでん屋であった。
カウンター席8名程度で満員になるような小さな店だ。
が、どこかのチェーン店のような喧騒は全くなく、大変静かである。
目の前にあるおでんの鍋を覗き込みながら好きなものをチョイスし、酒を飲む。


これだ。これが目指していた静かで粋な飲みというものである。


中目黒、◎。また是非来たい。□