ニュージーランド旅行記3

 

マウントクックはいいぞお」

 

ニュージーランドを旅する前に、いくつかのおすすめスポットを教えてもらってはいた。
だが、どうもパッとしない。
手に入れた「地球の歩き方」を眺めてみても、その良さが心に沁みこんでこないのである....。

この旅は、もともとネルソン在住の絵画の先生に会いに行くために立ち上げた企画であり、観光は当初の目的にはあまり入っていなかった。
折角ニュージーランドに行くのならば少しは観光地を見ておきたい、という程度のものだった。

我々はクイーンズタウンから、移動手段を兼ねたバスツアーに参加し、北のマウント・クックへと向かった。
その日の目的地は、世界一星空が綺麗に見えるといわれるレイクテカポという場所で、マウント・クックはその途中の単なる経由地のはずだった。
期待値はさほど大きくも無かった。

だが、バスがクイーンズタウンを出発してすぐに、車窓から見える景色に度肝を抜かれることになる。

 

山がでかい。のである。

 

さらに進むにつれて見えてくる山の表情も次々と移り変って行く。
それがどれも大きく美しいのである。
単なる移動手段としていたバスの車窓からすっかり目を離すことができなくなっていた。
朝7:30に出発したバスは、11:30にプカキ湖畔を走っていた。
やがてプカキ湖の向こうに氷河をかぶったクック山が姿を現した。その美しさたるや筆舌に尽くしがたい。 

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これか!と、ここにきてようやく体が「その良さ」を思い知ったのだった。
我々を取り囲む山々はすぐ目の前にある。圧倒的な大きさだ。
まるで神々に見下ろされているような気持になる。

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地球の歩き方」は嘘をついていない。
後で読めば、確かに見た通りの情報が正しく書かれている。
だが、実際にその場所に行ってみたときに感じられるこのダイナミックな臨場感や迫力は、写真や文章で表現できるものではない。まさに、百聞は一見にしかずなのである。

THE世界自然遺産
バスは1時間後にこの場所を離れ、今日の目的地レイクテカポに向かう。
何故マウント・クックを目的地としなかったのか、旅に来る前の我々の油断を心から悔やんだ。(つづく)□