ニュージーランド旅行記2

クライストチャーチの2日目。

昨日の大嵐は去り、天気はからりと晴れあがった。

朝一で「追憶の橋」をスケッチした。
カモメやカルガモが餌を求めて僕の周りをぐるぐるとまわっている。

夏とはいえニュージーランドの朝は初冬のように寒いのだが、朝一番にスケッチをできたことでとても清々しい気持ちになる。

スケッチを終えてから、改めてクライストチャーチの町並みを散策したのだが、昨日ぼくらを襲った、あの何とも暗い印象は全て嘘であったかのように、街はとても元気なのだった。

大聖堂の広場には市が出ていて賑やかに人が溢れている。
街の西にあるアートセンターはかつての大学校舎を大規模に改装してカフェやレストランとなっていて大人気だ。道端でバグパイプを演奏する英国人アーチストもいる。

ぶらぶらと散歩する中、偶然発見したクライストチャーチ・アートギャラリーという建物に入って驚いた。
建築そのものの美しさもさることながら、展示される作品群がとても充実している。
展示室は1階と2階がありそれぞれ4部屋。空間も広く、すぐれた作品も多い。とても見ごたえがある。
しかも、なんと入場料が無料なのである....!。日本ならばきっと1000~2000円でもとっていたほどの美術館である。

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正直なところ、昨日大地震から8年経過し、なお復興が進まないクライストチャーチ大聖堂を見て、一体なにをやっているのだ、というちょっとしたいらだちがあった。
だがそれに対して今日のこの豊かさである。
とても広くて美しい美術館を無料開放する芸術に対するゆとりのようなものがニュージーランドにはある。
クライストチャーチ・アートギャラリーを訪れる前に入ったカンタベリー博物館も同様に無料なのだった。こちらもニュージーランドの歴史を紹介する多くの資料を展示したとても大きくて楽しい博物館なのである。

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後で調べてみたのだが、実はクライストチャーチ大聖堂の復興を止めたのは経済の問題ではなくて、当時数年内に同等の地震が発生するという指摘があり、あえて復興を止めていたということらしい。
だが結局地震は再発せず、近年になり復興を再開したとのことだった。

ここ数年できっとクライストチャーチは美しく復興することだろう。

マイナス印象が一気にプラス印象へ。
どこかの恋愛ドラマのようなV字回復的展開がクライストチャーチで体験できました。

復興までに建てられた仮設大聖堂もシンプルでありながらホッとする美しさを持っていました。(つづく)□