近所に、狭いくせに行くたびに買わされてしまう本屋がある。
近所に、広いくせにこれまでほとんど買ったことがない本屋がある。
同じ本屋なのに、いったい何が違うのだろう。
違うのは「陳列の技術」だ。
新刊や話題の本が平積みになることは当たり前。さらに世の中の人が気づいていないが、読みたい本をリコメンドする。そういう陳列ができているか、いないか。である。
ただ、たくさんの本を吐き出すように並べたところで、客はわざわざ自分から読みたい本を発掘などしやしないのである。それに気づかない店は、たとえ広かろうとでかかろうと、すぐつぶれるだろう。
陳列はとても、とても重要なのだ。演出力とも言えよう。
本日、閏年。
我がアトリエの作品展「第12回樹の会展」の陳列が行われた。
先生が別の仕事のため自分が陳列の当番となった。
絵だって本と同じ。並べ方一つで全然見え方が変わってしまうものだ。
全力の全力で臨んだ。格闘すること約4時間。いい陳列ができたと思う。
ふらりと前を通りかかった人ですら、「おや」と目を止め見ていってくれることだろう。
樹の会展、明日より開幕。□