足下を掘っている。毎日掘っている。
けれど、掘れど掘れど、埋蔵金は一向に出てこない。
隣でも誰かが足下を掘っている。
掘り出した土の中にキラキラと金が溢れているのが見えた。
その途端、隣の金から目が離せなくなる。
今の足元を掘ることがばかばかしくなってしまう。
そして、もうここでは金は出てこない。とあきらめて掘る場所を変えてしまうのである。
またぶれはじめている。のかもしれない。
周りには、途中で掘ることをやめた穴ぼこだらけ。
もういい加減、学びたい。
自分が最初に決めた足下をひたすら掘るしかないんです。
隣の穴にはチャンスはない。ここにしかチャンスは無いのです。
遠いようでいて、それが一番の近道なんだ。
そう言い聞かせて、目をつぶり、歯を食い縛り、また足元を掘り始める。□