夢十夜 Season4 第六夜

こんな夢をみた。

市の特定の団体ごとに、町おこしでデジタルサイネージを制作する企画があった。

我々が所属するアトリエでも1メートル×50センチくらいのサイネージが作られたようだが、河原に打ち捨てられたように展示されたそれはなんともみすぼらしく、惨めであった。
雑草のようなものが描かれているがインパクトは弱く、何を伝えたいのかがちっとも理解できない。
思えば、自分もデジタルサイネージ制作の担当者であったことを思い出し、実制作を行ったアトリエの年配者Mさんに、責任を持って作り直したい旨を伝えに行った。アトリエはなぜか木造の長屋にあって、土間の横にある階段を登るとMさんが煎餅布団に横になっている。
「俺もよくわからない」
と言いながら土間の引き出しからデジタルサイネージ制作のしおりを取り出してくれたが、確かにそれだけではどうやって作ったらいいのかがわからない。
そもそもMさんは作り直しする以前に僕に協力することはとても嫌らしく、すぐに二階の煎餅布団に入ってしまった。
そんな長屋にふらりと一人の女性が入ってきた。
賀来千香子のような綺麗な人でアトリエの関係者らしい。彼女がふて寝しているMさんに頼みごとをした途端、打って変わったように、Mさんは布団から飛び出して、はいはいと彼女の言うことに応えてあげている。

とりあえず作り直すまでオフィスに置かせてもらおうと思い、デジタルサイネージオフィスビルの最上階の会議室に担いで行った。
会議室の隅っこに、袋ごとデジタルサイネージを置いたのだが、それを見ていた職場の同僚が、そんなところに置いたら色々な人からクレームが来る。せめてノートパソコンを手に入れて、アカウントを作って、デジタルサイネージを編集できるところまで環境を作って置かないと。と指摘される。
そんなところに会議が始まるようで次々と部屋に関係者が入ってきた。
いよいよ面倒臭くなってきたな、とため息をついている。□