割りこませない力。

気分が上々だ。

どうしてもやりたい。

どうしてもやらなくてはならない。

 

そんなときの仕事は、のっている。

まっしぐらにゴールに向かっている。

余計な雑音は一切寄せ付けない。

 

だけど、

 

気分がのらない。

どうしてもやりたくない。

どうしてもやらねばならないほどでもない。

 

そんなときの仕事は、遅々として進まない。

ゴールに向かう気力がない。

気力がないから目的地もふらふらと変わる。

余計な雑音にいちいち引き留められる。

 

忙しい。というのは幸せなことである。
人は、楽をしたいと思いがちだけど、退屈は地獄である。
自分がやりたいからでもいい。
締切に追われているからでもいい。
仕事に没頭して、気づいていたら一日が終わっていた。
そんな状態が一番しあわせなのだと思う。

退屈な状態や気分がのらないというときは、全てにおいてやりたいことの優先度が低いから、今やっている仕事の優先度すら、ふと今思い付いたどうでもいいことに奪われてしまう。そして、また次に目の前に現れるどうでもいいことに、また優先度が奪われて、いっこうに仕事の焦点が定まらない。
結局一日たってみると「今日、いったい何をしていたんだろう」という罪悪感のようなものに襲われるのである。

 

人間、年中絶好調、というわけにはいかない。

だけど、絶不調のときであっても、雑音にはふりまわされないようにしたい。

そのために、ぼくはなるべく頭のなかで仮想の締切をつくっている。

「5秒!」

「30分!」

気分がのらないときにこそ、心のなかで、自分で決めた締切を叫んで、それを守るように、自分を追い詰めるようにしている。
 

雑音にしても、コロナにしても、いらんものを寄せ付けないようにするのも、心に隙間を作らないようにしたらよいのかもしれない。

受験生は風邪ひかないもんね。試験が終わったら風邪引いたりする。それは心に隙間がないから、風邪が入ってくる隙間もないということなんだろう。

隙間をゼロにする。それが心の健康な状態なのだと思う。□