これを料理と呼んでよいものか。
スーパーで買った生麺を茹でただけなんだけど。
喜多方ラーメンを食べると昔を思い出す。
東京・京橋に勤務していたころ、ランチが楽しみの時間だった。
京橋のオフィスには食堂がなかったので、ランチはぶらっと外に出てお弁当を買ったり定食屋に入ったり楽しい時間を過ごしていた。
その中に、喜多方ラーメンのこぼしという店があって、いつも行列ができていた。
昼休みの時間も短く普段はなかなか行けずにいたので、ある日残業を終えてからの帰宅時に寄ってみたのです。
美味い。
面が平べったくてコシがある。そこにあっさりとした醤油味のスープが絶妙にからんで箸が止まらない。
忘れられない味だ。
当時は浅草に住んでいたのだが、やがてその近所にもこぼしのチェーン店があることを発見したのである。
こちらも仕事を終えてから帰りがけに寄ってみた。
ラーメンは、京橋の店と全く変わらない味で美味しかったのだが。
カウンターがコの字になっていて真ん中が厨房になっている店で、店員は二人。店長と思われる人が、もう一人の店員を叱っていたのです。
「どうやったらこんなふうにできるんだ」
見ると、餃子が真っ黒こげになっていて、煙を上げていたのです。
黙ってラーメンを食べながらその小言を聴いているとどうやらそれは玉の失敗ではなくて、同じようなことが何度も繰り返されている様子でした。
手順も作り方も誰でもできるようにして、チェーン展開しているのだから、それほど難しい手順ではないはず。だけど、その時の店員は、どうしても間違えてしまうようなのでした。
あれから浅草のこぼしには行っていない。
喜多方ラーメンの美味さと、真っ黒こげになった餃子の映像が頭の中で強く紐づいて、思い出となって残っている。
そんなことをいろいろと思い出しながらいただきました。
今回頂いた生麺もしっかり喜多方ラーメンの味を楽しむことができました。
冷蔵庫に残っていたほうれん草のおひたしが絶妙に生きました。□