映画「潮騒」を観た。
1975年の作品である。
三島由紀夫の原作は読んではいたものの、大昔のことであり、ほとんど物語を忘れてしまっていたのだけど、今回映画を観て驚いたのです。
........こんなに「エロい」話だったっけ!?
伊勢志摩の小さな島で出会った乙女・初江と漁師の男・新治。
初江の父は島の有力者・宮田照吉であり、惹かれあっていく二人を引き離そうとする。
やがて新治には宮田より大きな漁船に乗る試練が与えられるが、その大いなる試練を乗り越えてやがて二人の仲は認められるのであった...。
まあ、もうね、とにかく、イチャイチャなんですよね。
島は小さいからすぐに噂になってしまう。
二人は隠れてお話をしたりしているのだけど、次に会えるのは漁に出ない雨の日、島の隅にある山小屋でだけだと約束して、ようやくやってきた土砂降りの雨の日。
焚火をたき、居眠りして待っていた新治のもとに、遅れてびしょ濡れで現れた初江は、服を脱ぎ捨てて乾かし始める。
そこに目を覚ます新治。
「みちゃいかん!あんたも裸になれ!」と焚火の間で全裸で向かい合う二人。
なんとうエロス。観ていて恥ずかしくなる。
三島由紀夫といえば「金閣寺」とか「仮面の告白」といった硬派な文学のイメージがあり、「潮騒」を読んだ時も、前の2作品よりは読みやすかったという印象が残っていたが、はたしてこんなに、エロくてイチャイチャな話だったか。
もしかしたら脚本で物語をすげかえたんじゃないか、とすら思い、改めて原作を手に取ってみたが、はい。原作も、がっつり、エロくてイチャイチャでした(笑)。
山口百恵が現役で活躍する時代はあまり詳しくは知らない。
ただ今になっても当時の「伝説」を諸兄先輩方より耳にする。
映画、ドラマ、そして楽曲。次々とヒットを連発するトップアイドルだったのがなんと十代後半から20歳くらいであり、その絶頂、まさにこれから更にヒットを生み出すであろう20代のスタートに、突然、三浦友和氏との結婚を発表して現役引退を発表するのである。
プロダクションとしては、引退だけは、、と必死で引き留めたのではないだろうか。
だって20代はじまったばかりですよ。それからせめて10年くらいは更に人気を伸ばせるくらいだったかと思うんですよね。
それでも、百恵ちゃんは、スパッと芸能界を去り、以来、一度たりとも公の場には出てこなかったといいます。この徹底具合も、過去にも現在にも他に例が全くありません。
全てにおいて、スーパースターだったのだと思うのです。
日本の高度経済成長の波に乗って、芸能界にも二度と起こりえないルネッサンスがあったのでしょう。
昭和ってやっぱりすごい時代だったのです。□