今日の一冊

 

「Lily」 石田ゆり子著 文藝春秋

 

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美しい人っていうのはもう、中から美しいのだなと。

最初のことばから、いきなり胸に刺さるんです。

 

20代はつらかった。

人生経験もないのに、注目されてしまったこと。

本当は何もできないのに、できるふりをしなくちゃいけない。

自分のことをまるでわかっていないのに、

わかった顔をして前に進まなくちゃいけない。

「若さ」とは、周囲のためにあるじゃないかということ。

若い当人は無我夢中で、必死にもがいて生きている。

たくさんの可能性を秘めた、懸命な若者の姿を見て、

周囲は美しいと感じ、活力をもらうんです。

若者は、辛く苦しいからこそ、美しいんですよね。

 

言葉や写真の中に、トップアイドルが繰り出す写真集やらエッセイといったものとは一線を画す、積み重ねてきた美の落ち着きというか品格というものが漂ってます。

若い人も、同世代の人も、更に歳を重ねた人も、共感出来たり、見習ったり、目指したり、教わったりできる、大人の空気があふれています。

 

一日の終わり、ベッドに潜り込む瞬間は至福の時です。

わたしは毎日呪文のように、

「今日も一日ありがとうございました」と呟きます。

そして深呼吸して、

「あしたもよろしくおねがいします」と言いながら、笑って寝ます。

「微笑んだ顔で」眠ります。

 

女優、俳優っていうひとたちは、存在自体がもう「作品」なのですね。□