夢十夜 Season6 第六夜

 

こんな夢を見た。

 

小学校時代の同級生で、現在独身のNさんが、職場の経理業務を担当している。

職場のネット環境を使って、コンサートのチケットを予約した人間がいると、眉間にしわを寄せて憤っている。

「絶対に許せない」

握りこぶしに力を入れて正義を主張する彼女を見て、許してあげたら?と思っている。

 

Nさんから連絡があった。

知人の紹介で男性と会うことになったけど、一人で会うのは心細いからついてきてほしいと。
頭を下げる立場でありながら、その表情にはちらりとドヤ顔が滲み出している。

女性が男と会うのに、他人の男が同伴するなんてこじれるだけだと断ったが、どうしてもと半ば強制的に同伴させられることになった。

待ち合わせの場所は実家そばのアパート横にある狭い駐車スペースだった。

二人で駐車スペースに行くと、ワーゲンのような小型車が停まっており、そばに男が一人立っている。

力士だった。

貴景勝に似ている。

こちらを見て「誰だお前」という嫌そうな顔を見せたが、Nさんにはまるで逆の笑顔で話し始めた。

コンサートがある、展覧会がある、スポーツ観戦がある。行こう行こう。と次々と強烈なアプローチでNさんを誘っている。

「それならチケットがあるから取ってくるわ、待っていて」

Nさんは我々二人を残し、自宅に一度戻ると言い出す。

力士と同伴の男が二人きり。とても気まずい時間が流れたが、戻ってこないので迎えに行ってくるとその場を去り、Nさんの自宅(というか自分の実家)に向かうと、角から彼女が現れた。

「あの人、駄目。
 悪いけどこのチケットを持って行って、一人で行ってと言ってきて頂戴」

チケットを強引に渡されるが、これを自分が渡しに行ったら、間違いなく殺されると怯えている。□