★無粋

 

3年ぶりに初詣で地元の神社を訪れたのだが、

 

なんと、

おみくじが自動販売機になっていた・・・・。

 

初詣をしたときは必ず参拝のあとにおみくじを

ひくことにしている。

以前ならば、物販コーナー(?)のすみに

おみくじのブースがあって行列ができていた。

六角形の筒をがちゃがちゃと回して、でてきた

棒に書かれた番号を巫女さんに伝えると棚から

番号に対応したおみくじをとって手渡してくれるのだ。

 

番号は1~50番くらいはあっただろうか。

おみくじを収納するためだけの専用の木製の棚に

50種類のおみくじが美しく収まっていた。

願いながら筒を回すところから、

巫女さんが棚からおみくじを渡してくれて、

美しい独自の明朝体でかかれたおみくじを見て、

木に結くまでの、すべての過程が、

初詣を終えた直後の最初の神々しい運試しであり、

まさにそのおみくじの結果で一年が決まる、

というような緊張感すらある大事なイベントなのだった。

 

だが、それが今、

 

自動販売機」である。

 

....なんと無粋な。

激しい怒りを覚えるほどではないけれど、

じわじわとくすぶった火に体がゆっくり

焼かれていくような痛みが残る。

 

自動販売機に対して、

我々がするのは赤いポストのような冷たい機械に

100円玉を入れるだけだ。

3秒くらいすると、まるでタバコの自販機のように

無造作にテープに巻かれたおみくじが、

ぺっと吐き出される。

自販機のおみくじを初めて見たが、

丸文字フォントでかかれた、大衆消費物のような

おみくじである。

たぶんどこかの業者がつくっていて、いろいろなところに

卸していそうなしろものだ。

どこかの神社でも

まったく同じものを出している感じが伝わってくる。

 

その背景として、おそらくは、おみくじのために

巫女さんを雇うお金を切り詰めたということなのだろうか。

もうここ数年で、AIとか、オートメーションとか、効率化とか

ずっと言っているけど、効率とかを考えてはいけない世界も

絶対にあると思うのです。

お賽銭もPayPayで。とかどこかで聞いたような気もするけど、

ほんとうにそんなことになったら、

もう、どうなっちゃってんの日本。と、

心からこの国の未来を心配してしまうよ。

 

そんな2023年の正月です。□